ペット可賃貸は退去費用が高い?相場や費用を抑える対策を解説
- ペット可賃貸の退去費用は、敷金として家賃2ヶ月分程度を預けるのが一般的
- 費用は「経年劣化か、故意・過失か」で貸主・借主の負担が分かれる
- 相場より高い請求は内訳確認と相談窓口の活用。
- 共生型賃貸なら費用リスクそのものを抑えやすい
ペットとの毎日は、かけがえのない癒やしを与えてくれます。ですが、退去の際に、「原状回復費用はどのくらいかかるのだろう」と不安を感じる方は少なくありません。
この記事では、ペット可賃貸の退去費用の相場や内訳、そして貸主・借主どちらが負担すべきかの判断基準を解説します。あわせて、高額請求を受けた場合の対処法や、今からできる予防策もご紹介いたします。
退去費用への不安を解消し、大切なペットとの暮らしを安心して続けるためのヒントとして、ぜひご一読ください。
ペット可賃貸の退去費用相場と
高くなる理由
敷金の目安は家賃の2ヶ月分程度
ペットと暮らせる賃貸物件では、退去費用が通常の物件より高くなる傾向にあります。背景にあるのは、敷金の預け方の違いです。
- ペット可・相談可の賃貸物件→敷金は家賃2ヶ月分程度が目安。退去時の原状回復費用として、通常より多めに預けるケースが多い。
- 通常の賃貸物件→敷金は家賃1ヶ月分が妥当とされるのが一般的
なお、実際の退去費用は部屋の使い方や損傷の程度によって大きく変わるため、一律の相場を断定することはできません。
HOME'Sが公開している情報をもとに、主な修繕項目と部屋の広さ別の費用目安を以下にまとめました。
フローリングの修繕
| 修繕箇所 | 費用の目安 |
|---|---|
| 居室 (6畳〜10畳) | 約10〜20万円 |
| キッチン | 約9万円 |
| トイレ | 約7万円 |
| 洗面所 | 約10万円 |
| 廊下 | 約9万円 |
クロス(壁紙)の張り替え
| 修繕箇所 | 費用の目安 |
|---|---|
| 居室 (6畳〜10畳) | 約4〜8万円 |
| キッチン | 約5万円 |
| トイレ | 約5万円 |
| 洗面所 | 約5万円 |
| 玄関・廊下 | 約5万円 |
柱のキズの修繕
| キズの程度 | 費用の目安 |
|---|---|
| 浅いキズ | 約3万円 |
| 浅くて長いキズ | 約4万円 |
| 深いキズ | 約5万円 |
| 尿のシミ | 約6万円 |
脱臭・ハウスクリーニング
| 部屋の広さ | 費用の目安 |
|---|---|
| ワンルーム・1K | 約2万〜6万円 |
| 1DK・1LDK | 約4〜7万円 |
| 2DK・2LDK | 約4〜10万円 |
| 3DK・3LDK | 約6〜12万円 |
| 4DK・4LDK | 約8〜15万円 |
フローリングやクロスは、傷ついた箇所だけを部分的に補修することが難しく、居室全体を張り替えることになるケースがほとんどです。
そのため、傷の範囲が小さくても、費用は居室単位でかかると考えておいたほうがよいでしょう。
また、ハウスクリーニング費用は本来貸主が負担する項目ですが、ペットの飼育が原因の場合は入居者負担になる点にも注意が必要です。
動物の種類によって費用も変わる
退去費用は、飼育しているペットの種類によっても傾向が変わります。
- 犬:散歩後の足の汚れや、床の摩耗による損傷が中心
- 猫:爪とぎによる柱や壁の傷、においの脱臭作業が費用を押し上げる主な要因
また、多頭飼いの場合は、毛の抜け落ちやにおいが室内に蓄積しやすく、単頭飼育に比べて修繕範囲が広がる可能性があります。
なぜペット可物件の退去費用は高くなるのか
ここまで見てきたように、ペット可物件の退去費用が高くなりやすい理由は、主に以下の3点に整理できます。
①においや尿が床材や下地まで染み込みやすいこと
- 排泄物のにおいは、表面のクリーニングだけでは取りきれない
- においが下地にまで及ぶと、床材やクロスそのものの交換が必要
②爪とぎや噛み跡によって下地ボードや建具まで傷つくこと
- 柱や壁の傷は、表面の補修で済む場合と、下地部分まで損傷が及ぶ
- 下地の交換が必要になると、通常の張り替えよりも高額な工事になりやすい
③気づかないうちに損傷の範囲が広がっていること
- 傷が複数箇所に及ぶと居室全体の張り替えが必要になることも
- 日々の生活では気づきにくい部分にも、少しずつダメージが蓄積している可能性
単に金額の相場を知るだけでなく、なぜその費用がかかるのかという背景まで押さえておくことが、納得のいく退去費用の理解につながります。
費用負担の境界線|
借主負担・貸主負担の判断基準
原状回復の基本的な考え方
退去時にかかる部屋の修繕費用には、「借主が負担するもの」と「貸主が負担するもの」の二つがあります。
国土交通省は、賃貸住宅の退去時に起こりやすいトラブルを防ぐため、国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」に関する参考資料を公表しています。
このガイドラインで示されている原状回復の基本原則は、以下の2点です。
- 通常の使用による損耗や経年劣化→貸主の負担
- 故意または過失などによる破損や劣化→借主の負担
時間の経過とともに自然に生じる劣化と、入居者の使い方が原因で生じた損耗では、費用を負担する側が異なります。
一方で、ペットの飼育に関する内容は次のような扱いになっています。
- ペットによる引っかき傷や尿・嘔吐物のシミは、借主負担に分類される
- 経年劣化とペットによる損傷が同時に進んでいる箇所は、話し合いで負担割合が決まる場合もある
- フローリングやクロスの日焼けによる変色
- 家具の設置によるカーペットのへこみ
- ハウスクリーニング(通常のもの)
- カギの交換
- クロスやカーペットについたペットの尿や嘔吐物によるシミ
- 壁やクロス、カーペット、フローリングについたペットの引っかき傷
- ペットのケージを置くことによって床や壁についた傷
- キャットタワーの設置による天井や床、壁の傷
経年劣化(耐用年数)で負担割合が変わる
原状回復費用を考えるうえで、もう一つ押さえておきたいのが「経年劣化」という考え方です。
設備や内装には、通常の使用に耐えられる期間としての耐用年数が定められており、経過年数に応じて借主の負担割合が小さくなっていく仕組みになっています。
ポイントは以下の2点です。
- 壁紙やクッションフロアの耐用年数は6年のため、6年が経過すると価値はほぼゼロになる。
- 入居から年数が経っている場合、ペットによる損傷があっても新品交換分を全額負担することにはなりにくい。
逆に、入居して間もない時期に大きな損傷が生じた場合は、負担額が大きくなる可能性があります。
見積もりの内容に疑問を感じた時は、この経年劣化の考え方が正しく反映されているかどうかを確認することが、適正な費用負担を判断する手がかりになります。
退去費用・トラブルを
避けるためにできること
すでに退去費用の請求を受けている場合
見積もりの金額に納得できない時は、まず事実関係を整理することが大切です。確認しておきたいポイントは、以下のとおりです。
- 見積書の内訳を、項目ごとに書面で提示してもらう
- 経年劣化が考慮されているかどうかを確認する
- 入居前からあった傷や汚れの修繕が含まれていないかを確認する
国民生活センターには、賃貸住宅の原状回復に関する相談が年間1万件以上寄せられています。特に多いトラブルは、全面張り替えの請求や、同じ費用の二重請求です。
したがって、内訳を確認しないまま支払いに応じてしまうと、本来は負担する必要のない費用まで支払うことになりかねません。
貸主や管理会社に相談しても解決しない場合は、公的な相談窓口を活用しましょう。
- 消費者ホットライン「188」:相談は無料(つながってから通話料が発生)。施設点検日や年末年始を除き、土日祝日も原則毎日利用可能。
- お住まいの自治体の消費生活センター:契約内容や請求額の妥当性について、専門の相談員に無料で相談できる。
相談する際は、契約書や請求書、入居時に撮影した写真などの資料を用意しておくと、話がスムーズに進みます。
入居中にできる予防策
相場より高額な請求を防ぐためには、入居中からの日々の工夫が欠かせません。特に効果的なのは、以下の3点です。
- 爪とぎ器を複数設置し、床にはマットやカーペットを敷く
- 排泄物はすぐに拭き取り、換気や空気清浄機を併用する
- 入居時点での床や壁の状態を、日付がわかる形で写真に残しておく
これらの対策を続けることで、退去時の修繕範囲を狭められる可能性があります。
また、入居時の記録は、退去時に「もともとあった傷ではないか」という疑いを避けるための証拠にもなるため、忘れずに残しておきましょう。
「ペット共生型賃貸住宅」なら
費用リスクを抑えられる
ここまで、退去費用への対処法と予防策を紹介してきました。しかし、日々の対策には限界もあります。
そこで検討したいのが、始めから「ペットと暮らすこと」を前提に設計された「ペット共生型賃貸住宅」という選択肢です。
一般的なペット可賃貸と、ペット共生型賃貸の違いを比較すると、以下のようになります。
| 比較ポイント | ペット可賃貸 | ペット共生型賃貸 |
|---|---|---|
| お部屋の作り | 人間が暮らすことが前提 | ペットの飼育が前提 |
| ペット専用設備 | なし(自分で対策) | あり |
| 他の入居者 | 動物が苦手な方も いる可能性 |
ペットの 飼い主が中心 |
| 退去時の費用 | 原状回復費が高額になる可能性 | 想定外の出費を抑えやすい |
始めから傷やにおいの対策が施されていることもケースが多いので、退去費用への不安そのものを軽くしたい方にとって、有力な選択肢の一つと言えるでしょう。
ペット可賃貸の退去費用に
関するFAQ
まとめ
この記事では、ペット可賃貸の退去費用について、相場から負担の境界線、費用を抑える方法までご紹介しました。最後に、重要なポイントを振り返ります。
- 退去費用の相場は、敷金として家賃2ヶ月分程度が目安
- 経年劣化は貸主負担、故意・過失は借主負担が原則
- 高額請求を受けたら、内訳確認と経年劣化の考慮有無をチェック
- 賃貸でペットと暮らすなら、「ペット可」よりも「ペット共生型」がおすすめ
退去費用への不安を感じている方は、日々の対策だけでなく、住まい選びの段階から見直してみるのもよいのではないでしょうか。
東京・神奈川・埼玉・千葉で、ペット共生型賃貸住宅をご検討中なら、ぜひ弊社「ニチワ」へお気軽にご相談ください。
飼い主様のお悩みやご質問を解消しながら、飼い主様とペットに合ったお部屋をご提案いたします。



