犬の鳴き声に対する苦情が来たら…放置が契約解除に繋がる可能性
- ペットの鳴き声に対する苦情が来た際は、感情的にならず状況を確認し、管理会社・大家さんへ誠実に謝罪する
- 犬の鳴き声は約90〜100dBに達することもあり、放置すると契約解除など法的リスクに発展することも
- しつけ・室内環境・防音グッズの組み合わせが鳴き声を対策に繋がる
- 対策を続けても不安が残るなら、「ペット共生型賃貸」への住み替えも選択肢
愛犬と暮らす毎日は、かけがえのない癒やしを与えてくれますよね。
ですが、犬の鳴き声は意外と響きやすく、知らず知らずのうちに近隣住民の負担になっている…というケースもあります。
そこで本記事では、犬の鳴き声で苦情を受けた際に、飼い主の求められる対応から、放置した場合に生じ得る法的リスク、具体的な鳴き声対策などをご紹介します。
愛犬との暮らしを長く安心して続けるためのヒントとして、ぜひご一読ください。
犬の鳴き声で苦情が来たら。
まずやるべき3つの対応
よくある事例①:宅配便のインターホンで苦情を受けたAさん
私は、マンションの1室で愛犬のトイプードルと暮らしています。
ある日、宅配便が届いた際にインターホンの音に反応し、愛犬がいつも以上に激しく吠えてしまいました。
その日の夜、管理会社の方から「隣室から、鳴き声がうるさいという相談が届いています」と連絡が来てしまいました。
ペットの犬が、インターホンの音や来客に反応して吠えてしまうというケースは、よくありますよね。
しかし、鳴き声に関する苦情を受けた時に、感情的になったり、対応を後回しにしたりすると、さらに状況が悪化するリスクがあります。
まずは落ち着いて、以下の3ステップに沿って対応しましょう。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| ①状況確認 | いつ・どんな時に吠えたかを整理する |
| ②謝罪 | 管理会社・大家さん経由で伝える |
| ③意思表示 | 改善に取り組む姿勢を伝える |
①感情的にならず、状況を確認する
まずは冷静に、いつ・どのような場面で犬が吠えていたのかを振り返ってみましょう。
宅配便や来客のタイミング、留守番中、外の物音への反応など、心当たりがないか確認してください。
②誠実に、できるだけ早く謝罪する
状況を確認できたら、できるだけ早く管理会社や大家さんへ連絡を入れましょう。この対応が遅れると、「反省していない」という印象を与えてしまう恐れがあります。
謝罪の際は、苦情を受け止めていることと、今後の対応を検討している姿勢を伝えることが大切です。
なお、苦情を出した相手が特定できる場合でも、直接訪問して謝罪するのは避けたほうが良いでしょう。基本的には、管理会社や大家さんを窓口として対応を進めてください。
③改善に取り組む姿勢を伝える
謝罪と合わせて、今後どのように改善していくのかという意思を伝えることも欠かせません。
この段階では、対策の詳細をすべて説明する必要はなく、「原因を調べて対応します」という前向きな姿勢を示すだけで十分です。
犬の鳴き声はなぜ苦情になりやすい?
犬の鳴き声が苦情になりやすい背景には、音量そのものの大きさが関係しています。
犬の鳴き声は約90〜100dbに達することがあり、これは電動工具の作動音とほぼ同程度の音量です。
一方、住宅地における日常生活音の許容範囲は約45db以下昼間は約55db以下、夜間は約45db以下とされています。つまり、犬が本気で吠えたときの音量は、一般的な生活音の目安を大きく上回ってしまうのです。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 犬の鳴き声 | 約90〜100dB |
| 生活音の 許容範囲 |
昼間55dB以下 夜間45dB以下 |
犬が吠える理由はさまざまです。来客や物音への警戒、留守番中の不安、要求など、意思表示として吠えているケースが多く見られます。
そのため、飼い主が「この程度の鳴き声なら平気」と感じていても、隣人にとっては生活の負担になっている可能性があります。
また、マンションやアパートといった集合住宅では、共用部を通る音が室内に届きやすく、それが犬の反応を引き起こすきっかけになることも少なくありません。
苦情を放置するとどうなる?
契約解除と法的リスク
よくある事例②:注意を後回しにしてしまったBさん
私は柴犬と暮らしているのですが、一度、管理会社から「鳴き声について、他の入居者様からお声がありました」と連絡を受けたことがあります。
ですが、その時はさほど深刻に受け止めておらず、特に対策をせずに過ごしていました。
数週間後、同じ内容の苦情が再び管理会社に届き、今度は「改善が見られない場合、契約更新をお断りする可能性がある」という連絡が入ってしまいました。
ペットの鳴き声対策は簡単ではないですよね。そのため、つい対応を後回しにしたり、問題を軽く捉えたりしてしまう飼い主の方は少なくありません。
ですが、理由もなく対策を怠ってしまうと、大家さんとの信頼関係に影響が出る可能性もあります。
ここでは、苦情を放置した場合に、どのような責任や契約上のリスクが生じ得るのかを法令から確認していきましょう。
飼い主に生じる法的責任
犬の飼い主には、動物愛護管理法や民法に基づく責任が課されています。
動物愛護管理法第7条|「迷惑をかけない努力義務」
- 飼い主には、ペットの健康・安全を保つとともに、「人に迷惑を及ぼすことのないように努めなければならない」という努力義務がある
- 努力義務のため、違反しても直ちに罰則が科されるわけではない
- 改善が見られない場合は、行政からの指導や勧告につながる可能性がある
出典:e-Gov 法令検索「動物の愛護及び管理に関する法律」
民法718条|「飼い主の損害賠償責任」
- 動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う
- 動物の種類及び性質に従い相当の注意をもってその管理をした場合は、この責任を免れる
慰謝料額を左右する要素
慰謝料の金額は、鳴き声の状況や飼い主の対応によって大きく変わります。慰謝料の金額を決定する際に、考慮されることが多い主な要素は、次のとおりです。
- 鳴き声の時間帯:早朝や深夜は、慰謝料が高額になりやすい傾向がある
- 音量や頻度:連続的な大声、長時間の鳴き声など
- 飼い主が講じた対策の有無:飼育場所の変更、防音対策の実施など
つまり、苦情を受けた後にどのような対応を取ったかが、その後の展開を左右する重要な分岐点になります。
賃貸特有のリスク|
契約解除・強制退去の可能性
賃貸契約において、入居者に対する苦情が絶えない場合や、改善する姿勢が見られ無い場合、大家さんとの間で「信頼関係が破綻している」と判断されることがあります。
信頼関係の破綻とは、賃貸契約を継続するうえでの前提となる信頼関係が損なわれた状態を指します。具体的には、以下のような展開が考えられます。
- 同じ内容の苦情が繰り返し届き、大家さんからの信頼が下がる
- 契約更新のタイミングで、更新を断られる可能性がある
- 改善が見られない場合、契約解除や退去を求められることがある
- 内容証明郵便による通知に発展する場合もある
賃貸借契約書には、迷惑行為があった場合に契約を解除できる旨が記載されていることも少なくありません。
もちろん、1回の苦情だけで即座に契約解除となるわけではないですが、繰り返しの苦情や改善の意思が見られない状況は、大家さんにとっても厳しい判断を迫られる要因になります。
しつけ・環境・防音グッズ
から始める鳴き声対策
苦情への対応を終えたあとは、同じことが繰り返されないよう、日頃からの対策に取り組むことが大切です。
ここでは、しつけ・室内環境・防音グッズという3つの観点から、今日から始められる工夫を紹介します。
しつけによる対策
犬が静かになったタイミングで褒めることで、無駄吠えが少しずつ落ち着いていく場合があります。また、散歩や遊びの時間をしっかり取ることも大切です。
また、運動が足りていない犬は、日々のエネルギーをうまく発散できず、ちょっとした物音にも敏感に反応してしまうことがあります。愛犬の様子を見ながら、運動量を見直してみると良いかもしれません。
室内環境の見直し
犬の定位置が玄関やベランダに近いほど、外の音や気配に反応しやすくなります。
そのため、リビングの奥やクレートなど、玄関から離れた場所に定位置を移すだけでも、反応の頻度が変わることがあります。
加えて、テレビやラジオをつけて室内に一定の音がある状態を作っておくことで、外からの急な物音に過敏に反応しにくい環境を形成できます。
防音グッズの活用
床や壁からの音漏れを抑えるには、防音グッズの活用も選択肢の一つです。
| グッズ | 効果 |
|---|---|
| 防音マット・ カーペット |
足音や振動音を軽減する |
| 遮音カーテン | 窓からの音漏れを抑える |
| 二重窓(内窓) | 防音効果は高いが、足音などの 振動音の対策には不向き |
なお、二重窓は音漏れ対策として有効ですが、床から伝わる振動音まではカバーしきれません。窓だけでなく、床や壁への対策も組み合わせることで、より効果的に対策できるでしょう。
これらの対策を組み合わせながら、無理のない範囲で続けていくことが、近隣との関係を穏やかに保つポイントになります。
不安が残るならペット共生型賃貸に
住み替えも検討
ある程度ペットの鳴き声対策を重ねても、「いつか苦情が来るかもしれない」という不安は残りますよね…。
そういった場合には、住まいそのものを見直すという選択肢も検討してみましょう。
「ペット可賃貸」は、あくまでペットの飼育が許可されているお部屋にすぎません。その一方、「ペット共生型賃貸」は、はじめからペットとの暮らしを前提に設計された住まいです。
| 比較項目 | ペット可賃貸 | ペット共生型賃貸 |
|---|---|---|
| 他の入居者 | 動物が苦手な 人もいる |
ペットを愛する 人が集まる |
| 鳴き声への配慮 | 周囲への 配慮が必要 |
お互い様という 安心感がある |
| 専用設備 | 特になし | 足洗い場や傷対策の 壁材など |
ペット共生型賃貸では、住人の多くがペットとの暮らしに理解を持っているため、鳴き声に対する気兼ねが和らぐことがあります。
日々の対策と並行して、住まいの選択肢を広げておくことも、長い目で見た安心につながるかもしれません。
犬の鳴き声に関するFAQ
管理会社や大家さんを窓口にすることで、感情的な対立を避けながら対応を進められます。
早い段階での対応が、その後のトラブルを防ぐポイントになるでしょう。
まとめ
本記事では、犬の鳴き声で苦情を受けたときの対処法から、放置した場合のリスク、そして今日から取り組める対策までご紹介しました。
- 苦情を受けた際は、感情的にならず状況を確認し、管理会社や大家さんへ誠実に謝罪する
- 苦情を放置すると、慰謝料請求や契約解除、退去といったリスクに発展する可能性がある
- しつけ・室内環境・防音グッズの対策を組み合わせることで、鳴き声を軽減できる場合がある
- 苦情が心配なら「ペット共生型賃貸」への住み替えも選択肢に!
愛犬との暮らしのなかで、鳴き声の苦情に悩むことは決して珍しいことではありません。だからこそ、苦情を受けたときに落ち込みすぎず、誠実に対応していく姿勢が大切です。
東京・神奈川・埼玉・千葉でペット共生型賃貸をお探しの方は、ぜひ弊社「ニチワ」へお気軽にご相談ください。
大切なご家族との毎日が、より安心で幸せなものになるよう、心を込めてお手伝いいたします。



